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大阪伏見町 芝川家「旧洋館」Ⅱ

芝川店の事務所として、1890(明治23)年に建てられた「旧洋館」は、1927(昭和2)年、隣地に「芝川ビル」が建設され、その芝川ビルで1929(昭和4)年から花嫁学校「芝蘭社家政学園」が開校されてからは、花嫁学校の教室の一部として利用されていました。


「芝蘭社家政学園」建物配置図:1935(昭和10)年(千島土地株式会社所蔵資料 F04_010)
「旧洋館」が洋裁室となっていることがわかります。


(千島土地株式会社所蔵資料 P33_008)
こちらは花嫁学校の様子です。窓際の子供服から、洋裁の授業風景のようですし、窓の形からも、「旧洋館」の内部写真ではないかと思われますが、はっきりしたことはわかりません。

この「旧洋館」は、戦後はテナントの入居により、通り沿いの窓が切り取られてドアになったり、テントや出窓がつけられたりと、建物の姿はすっかり様変わりします。

(千島土地株式会社所蔵資料 P81_003)


(千島土地株式会社所蔵資料 P81_001)

そして1995(平成7)年、阪神・淡路大震災によって煙突部分が被害を受けたことを契機に、遂に取り壊されることとなりました。当時は社内に、今ほどの近代建築の保存・活用に対する情熱がなかったこともありますが、地震による被害がなければ、おそらく現存していたことでしょう。暖炉や煙突の部材の一部は、弊社倉庫に保存されていますが、この「旧洋館」は、社内でもその取り壊しが大いに悔やまれている建物です。

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